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人工透析の完全マニュアル

      2016/10/11

人工透析の看護

人工透析の管理って看護師をしていたら結構壁にぶち当たることが多いですね。初めて見るとハードル高い感じするけど、覚えちゃえば決してビビることはないです!このサイトで簡単に覚えよう♪

人工透析とは

人工透析(じんこうとうせき)とは、腎臓の機能を一部代替する治療法です。腎不全の患者が尿毒症にならないよう、老廃物除去・電解質維持・水分量維持を行うことを血液透析と呼びます。

 

腎不全とは

腎機能が低下あるいは停止している状態

腎機能分類

①クレアチニン(Cr)は、主に腎臓により排泄されるため、腎機能の目安になる

②クレアチニン・クリアランス(Ccr)は、腎臓が1分間に血液中のクレアチニンをどれだけ除去できるか示した値。

91ml/分以上が正常で、30ml/分以下(30%以下)となった状態を腎不全という。

尿毒症期はCcr 10ml/分以下 で透析導入が必要となる(その他にも色々要因あり)

 

人工透析の分類

①血液透析 (Hemodialysis:HD)

血液透析は透折膜(ダイアライザ)によって血液をろ過する。患者に2本のカニューレを挿入し、血液を体外へ導出して限外濾過と溶質除去を行う。基本的に週に3回の4~5時間の透析をする必要がある。急激な電解質変化と蓄積した尿毒症性物質の急激な減少により不均衡症候群を生ずることもある。

 

②腹膜透析 (Peritoneal Dialysis:PD)

患者自身の腹膜を透析膜として利用する方法。持続的携行式腹膜透析(continuous ambulatory peritoneal dialysis:CAPD)が有名。

腹腔にカニューレを留置し、腹腔内に透析液を貯留することで時間をかけて老廃物を濾過する。 1日に数回の透析液交換を患者自身で行うため、通院による拘束時間が血液透析と比較して短い。また、緩徐な透析を行えるため不均衡症候群などの合併症が起こりにくい。しかし、腹膜炎や出口部感染が大きな問題になる。
CAPDでは6時間毎に1日4回透析液を出し入れせねばならない
腹膜透析は、あまりに長期にわたって施行すると、腹膜の機能の低下により、腹膜肥厚や被嚢性腹膜硬化症という重大な合併症を引き起こすことがある。このため、腹膜透析を施行するのは通常は4~5年前後で血液透析への移行を検討することとなる。

 

③血液濾過 (Hemofiltration:HF)

血液濾過は、低分子蛋白領域物質の一部までの均一な除去が可能である。小分子量物質の除去は血液透析に遠く及ばないが、低分子蛋白領域の物質除去により血液透析では改善できない病態の改善が認められている。また循環動態が不良であり、通常のHDに耐えられない場合、不均衡症候群が起こる場合も用いられる。

 

④血液透析濾過 (Hemodiafiltration:HDF)

HDとHFを同時に行う血液浄化療法である。通常のHDでは循環動態が悪くなる患者に用いられることが多い。HDよりも小分子除去にすぐれ、中分子除去はHFよりは劣るがHDよりは優れている。

 

⑤持続的血液透析濾過療法(continuous hemodiafiltration:CHDF)

急性腎不全の重症例や全身状態の悪い症例に対して行われる血液浄化法である。HDFを24時間持続的に行うということである。患者を長期拘束をし、長時間の抗凝固薬の投与による出血のリスク、ICU管理となることが多いので面会の制限などがあるものの、少量ずつ透析を持続的に行うため、全身状態に与える影響が少なく、血管外物質の除去効率が高いというメリットがある。

 

人工透析の看護

● シャント
内シャント
皮膚の下で動脈と静脈を直接つなぐことにより、動脈の血液が静脈の血管に流れる。

【観察】
①狭窄や閉塞の早期発見のためにシャント部位に聴診器を当て、血管音を聴取する。
良いシャント音は「ザーザー」または「ゴーゴー」と心臓の鼓動にあわせて音がする。
流れの悪い場合には、「ヒューヒュー」と高い音になったり、「シャッシャッ」と短い音
②スリル⇒血流による流れを第2指から第4指で触知して振動を確認する。「ビリビリ」や「ザーザー」と触れる。

③造設側の腕の血流障害が起きていないか、手指の冷感・色・しびれ・痛みの確認

④低血圧・脱水・重症の感染症など、シャントが閉塞しやすい徴候に注意する。

閉塞の原因⇒①低血圧や血液凝固能の亢進があると、血液が固まりやすい
②シャント部位を圧迫すると血液がながれなくなり、つまる
③長期間 シャント血管を使っている間に血管が細く、狭窄する。

シャントの合併症には、1)狭窄 2)閉塞 3)感染 4)動静脈瘤 5)過大シャント 6)静脈高血圧 7)虚血
【合併症】
① 不均衡症候群
血液中の電解質や尿素などが透析で早く取り除かれるのに対して、脳細胞内の電解質や尿毒素は遅れる。そのために血液と脳との間に濃度差が生じて水分が脳の中に引き込まれ、脳圧が亢進して症状が出てくる状態
透析導入期に起こりやすい

観察⇒頭痛・嘔気・嘔吐・血圧上昇・下降・痙攣・意識障害など

援助⇒症状が強いときは安静をすすめ必要な日常生活援助を行なうが、状況に応じて、医師に報告し、緩徐な透析条件に変更する。

② 血圧下降
不適切な徐水・血管の調節がうまくできない・心疾患・全身状態が良くないとき・貧血

症状⇒あくび・眠くなる・動悸・脈が速くなる・はきけなど

③血圧上昇
水分や塩分の取りすぎ⇒循環血液量が増加する
レニンが高い⇒過剰に分泌されている人は透析時間ととともに血圧が上昇する
透析中のナトリウム濃度が高すぎる⇒水分をひきつけて血液量が増加し血圧が上昇

症状⇒頭痛・肩こり・吐き気・はく・顔面紅潮・けいれん・意識がなくなる
【長期透析の合併症】

① 心不全
原因⇒水分と塩分のたまりすぎによるもの。たまると血液の量が増え、心臓の仕事量が増える、これが長く続くと心臓は疲れて働きが落ちる。
1) 水分・塩分の取りすぎ
2) 貧血(心臓の仕事量が増える)
3) 高血圧
4) 動脈硬化
5) 心膜炎
6) その他の心疾患

症状⇒むくみ・胸苦しい・動悸・息切れ・たん・体重増加量が多い・血圧上昇

予防⇒水分・塩分を制限し、体重をコントロールする。
血圧のコントロール・動脈硬化予防のため過食に気をつける

② 高血圧
原因⇒1)水分・塩分の取りすぎ
2)レニン分泌増加
3)過食・肥満による動脈硬化
4)ストレス

症状⇒頭痛・肩こり・イライラ・吐き気・痙攣・意識がなくなる

予防・治療⇒水分・塩分の制限
カロリー過剰・特に脂肪のとりすぎに注意する。
適切な運動を行なう。 降圧剤の投与
③ 高カリウム血症
原因⇒1)食事摂取量が少なく、細胞が壊され、細胞内のカリウムが血液中に出てくる
2)カリウムの多い食品のとりすぎ
3)透析不足
4)消化管出血

症状⇒手指がしびれる・口唇がしびれる・だるい・口のこわばり・胸がくるしい。意識がなくなる

予防⇒カリウムの多い食品(果物・生野菜・芋・豆・海草)を制限する
十分に栄養をとる
十分に透析する

④消化管出血

原因⇒1)透析不足(尿毒素がたまる)
尿毒素によって胃腸の粘膜が保護できなくなったり、血小板の働きが低下し、出血しやすくなる。
2)精神的・肉低的ストレス
3)薬の影響で胃・腸の粘膜があれる
4)ヘパリン使用により出血しやすくなる

症状⇒消化器症状:腹痛・はきけ・食欲不振
便・はいた物に血液が混じる・貧血の症状がでる

予防⇒十分透析を行なう
バランスのよい食事をとる・
胃の刺激の強い薬は注意する
ストレス解消に気分転換をはかる

 

 

 

血液透析開始前の観察
・一般状態のチェック 浮腫、呼吸困難、頭痛等の症状の有無
・バイタルサイン
・検査データ
・ブラッドアクセス
・シャントの状態
・体重

 

透析開始直後のチェックポイント
・一般状態のチェック 吐気、頭痛、四肢冷感、冷汗、胸部苦痛の有無
・バイタルサイン (開始直後に血圧低下を起こしやすい)
・あくび、意識レベルの低下の有無
・シャント穿刺部位の確認
・皮下出血、皮膚膨隆出現の有無
・除水量の設定
・抗凝固薬投与量の設定
・安楽な体位の工夫
透析中のチェックポイント
■透析装置のチェック
○除水量:設定と実測値
○血流量:陰圧となっていないか
○静脈圧
○回路内凝結の有無
○限外濾過圧
○透析液の流量・透析液濃度・温度・漏血の有無
○凝固薬注入量
各種警報装置、監視装置の作動
○回路接続の確認
■患者のチェック
・シャント穿刺部の状態
・バイタルサイン ・血圧、脈拍のチェック(15~60分ごと)
・一般状態のチェック
・胸痛、胸内苦悶、呼吸困難の有無
・高血圧 ・低血圧、
・冷汗
・発汗、熱感、悪寒
・頭痛、意識障害、めまい、耳鳴り、視力障害
・筋痙攣、筋硬直、イライラ感、しびれ感
・嘔気、嘔吐、腹痛、便意亢進、下痢
・血管痛
・掻痒感
透析終了時のチェックポイント

・バイタルサイン
・除水量、体重:過剰除水、除水不足の確認
・穿刺部位の止血の確認(10~15分の圧迫止血)
・シャント部位の状態 シャント音の確認
・倦怠感
・疲労感の有無

 

透析は、難しく考えずに大切なポイントを抑えよう♪

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